前回の記事の続きです。
眉下切開特別講座 眼輪筋切除が必要な理由 連載② 眉下切開の年齢
現在、眉下切開を多く受けられる20代〜50代の方で検証してみます。
まず、手術前のまぶたを見てみましょう。
まぶたが厚いタイプの目です。
赤が眼輪筋、黄色がROOFと眼窩脂肪です。
このイラストについて詳しくはこちらをご覧ください。
眉をこのように指で引き上げると、眉下切開のシミュレーションができます。
元の瞼とどの程度変化しているか、上の2枚のイラストを重ねて見てみましょう。
ピンクの部分が瞼のかぶりが引き上がった分です。
二重が広くなり、目の開きもよくなります。
まつ毛の生え際が上がります。
では、指で眉を引き上げると、瞼の中で何が持ち上げられているのかを調べてみましょう。
それが分かれば、その組織を切除すればシミュレーションと同じ結果が手術で再現できます。
皮膚と眼輪筋は薄い皮下結合織を介して互いに密接に結合しています。
皮膚を持ち上げた時、皮膚だけが眼輪筋の上でずれて上に上がるのではなく、眼輪筋も同時に引きあがり
ります。
これが皮膚と眼輪筋との関係です。
もし、皮膚が眼輪筋の上で自由に動くような緩い結びつきであれば、
皮膚を強く引っ張ると眼輪筋から皮膚がはがれて出血したりと大変なことになってしまいます。
では、ずれているのはどこかというと、roofの部分です。
roofは脂肪を含んだスポンジのような組織です。
眼輪筋は結構な厚みがあること、皮膚と眼輪筋はしっかり結びついていること、
この二つが眉下切開を理解する上での重要なファクターです。
シミュレーションで引き上げた際の皮膚と眼輪筋の移動量を示してみます。
青が皮膚、ピンクが眼輪筋の動いた量です。
8ミリ眉を引き上げたとすると、皮膚と眼輪筋の動きは約8ミリです。
これが元の瞼ではどの位置にくるかというと
この位置にきます。
皮膚と眼輪筋の青とピンクの部分を切除すれば、シミュレーションに近い結果が得られます。
では皮膚だけ切除すればどうなるのでしょうか?
次回は眉下切開特別講座 眼輪筋切除が必要な理由 連載④ 眼輪筋を切除しなかったらどうなる?です。