前回の記事の続きです。
眉下切開 特別講座 眼輪筋切除が必要な理由 連載⑦ 実際の眼輪筋、脂肪切除の様子
今回は、眉下切開の傷跡について解説します。
まずモニター様の傷跡を見てみましょう。
術前のデザインと抜糸直後です。
眉の内側から外側まで均等に切除するデザインです。
皮膚、眼輪筋、ROOF、眼窩脂肪を切除しました。
6ヶ月後です。
傷の赤みもほとんどなくなっています。
眉の形はほとんど変化していません。
眉下切開において手術の完成度を左右する要素は以下のものです。
① デザイン
② 切除組織(皮膚、眼輪筋、ROOF、眼窩脂肪)
③ 切開、縫合方法
傷跡に関係するのは、①と③です。
①について代表的な三つのパターンを示します。
1、内側から外側にかけて均一に切除するパターンです。
主に若い方に行うデザインです。
2、内側をメインに切除するパターンです。
若い方限定のデザインです。
3、外側をメインに切除するデザインです。
主に40代以上の方に行うデザインですが、一部の若い方にも行います。
眉下切開というと、3のデザインをするクリニックを多く見かけます。
これは、過去に眉下切開が高齢者向けの手術だったためです。
若い方に適応になることは少ないです。
まぶたのタルミの有無や、年齢、希望する目の形はそれぞれ違いますので、
それに合わせてデザインを変えていかないと、希望する目にはなりません。
③について説明します。
切開に関しては、現在はどこのクリニックでも毛包斜切断法で切開しています。
毛包斜切断法を行うと傷跡から眉毛が生えてくるからですが、
これについて詳しくは、こちらをご覧ください
傷跡から眉毛がはえてくるか?https://ameblo.jp/ciel-cl/entry-12154210159.html
どこで切開するか?https://ameblo.jp/ciel-cl/entry-12154480136.html
縫合に関しては、見えない部分にどこまで時間をかけるかが重要です。
目に見える皮膚表面の縫合を段差なく完璧に行うのは当然ですが、
実は、皮下でも吸収糸で何層にも皮下縫合を行っています。
これを省いて簡略化してしまうと、傷跡の出来が悪くなります。
下図のように縫合は5層になっています。
最下層は太目の吸収糸(紫糸)で眼輪筋の断端をしっかり引き寄せます。
これを行っただけで、開いた創が半分以上閉じてきます。
眼輪筋を切除していないと、余った眼輪筋が創を引き寄せる邪魔をします。
ここでも眼輪筋切除の効果が出てきます。
次に皮膚の最下層と中央の層も太目の吸収糸(紫糸)で縫合します。
皮膚の浅い層に細めの吸収糸(薄い青糸)で縫合し、最後に抜糸するナイロン糸で皮膚縫合(赤糸)します。
吸収糸は長期間張力を維持するモノフィラメント糸PDSⅡを使用します。
ナイロン糸に比べると非常に高価ですが、瞼の中に異物が残らないのがメリットです。
若い方の場合、傷は一度肥厚性瘢痕になることが多いですが、上記の内部縫合をしっかり行っていれば、
きれいな傷跡になります。
肥厚性瘢痕については、こちらをご覧くださいhttps://ameblo.jp/ciel-cl/entry-12155818582.html
眉下切開のご手術金額は¥418,000(税込み)です。
脂肪除去はプラス¥110,000(税込み)です。
眉下切開の主な合併症は、腫脹、内出血、血腫、感染症、肥厚性瘢痕、兎眼、ドライアイ、屈折異常です。